「箱の中には吸音材を入れたほうが良いと書いてあるけれど、いったいどの素材をどのぐらい入れたらいいのか分からない。」
「何も考えずに適当に吸音材を入れて、けっこういい音すると思うんだけど実際の所どうなのか分からない。」
そんな方も多いかと思います。
私も、「吸音材は、無いよりあったほうが良いだろう」という安易な考えだけで何の知識もなく、100均のフェルトをスピーカー内部にかなり適当に入れていたのですが、実際は必要な音まで吸音していた事が分かりました。
吸音材は一体どうしたらいいのか分からない そんな方は是非参考にしてみて下さい。
吸音材について検証しました
吸音材無し、ウレタン吸音材、100均のフェルト3種で試した吸音材実験の結果がコチラです。
今回分かった事 実験動画の補足
今回、実験の結果わかった事は
1、100均のフェルトでも十分効果がある
2、最大でも3面貼れば十分。バスレフ型で5面は貼りすぎ。
3、予想以上に吸音材の効果はある。
の3点です。なお、今回の素材による違いはウレタンとフェルトのみです。タイミングをみて、グラスウールやニードルフェルトなどでも検証してみたいと考えています。
1、100均のフェルトでも十分に吸音の効果がある。
水色の線が100均フェルトのデータです。
100均のフェルトはペラッペラなので効果があるのか疑心暗鬼だったのですが、実際にグラフにしてみると中音域から低音域が結構減っているのがわかりました。
十分に効果があったという事です。完全にあなどってました。
2、最大でも3面貼れば十分。バスレフ型で5面は貼りすぎ。
今回の検証に使ったフェルト吸音エンクロージャーは、表面の裏以外の5面全てにフェルトを貼っていました。
バスレフ型で5面は貼りすぎでした。
本来必要な低音域まで吸音してしまったという事ですね。
3面貼れば、定在波の影響を少なくすることができそうなので、3面貼れば十分そうです。
自作スピーカーで有名な長岡鉄男さんの設計図を見ても、基本的に多くて3面しか吸音材は貼っていませんでした。これはおそらく、定在波(定常波)による再生音の癖をとることだけを目的としていたのだと思います。
ただ、それも実際に実験してみないと何とも言えないところなので、色々な貼り方による違いを実験してみようと思います。
3、予想以上に吸音材の効果はある。
予想していた以上に、吸音材で音は変わりました。
中高音域の不快な尖がり感が無くなった事や、フェルトの貼りすぎで低音域を失いました。
音は目に見えないので、実際にどのぐらいの差があるのかを確認するのは作り変えて聞き比べるしかありません。例えば今回のように、同じ条件で撮影し、作り変えて動画を編集するなどして検証するという事です。なかなか面倒くさいですよね。
おそらく、1度スピーカーを作ってしまったら中々また作り変えるというのは腰が重くなりがち。ちょっとずつ入れたり抜いたりしていると、音が良くなっているのか悪くなっているのかもやっているうちに感覚がマヒしてだんだんわからなくなってきます。
しかしながら、吸音材の効果は、予想以上にあります。
私のように何も考えずに入れるのはやめておいた方がよいですよ。良くしているようで実際は悪くなっているパターンもあり得ますから。
何も考えずに入れるなら、3面までにしておこう
実際にデータを取ってみるまで、適当に貼ったフェルトがこんなにも必要な欲しい低音まで失っているとは思いませんでした。
バスレフ型のエンクロージャーの場合は何も考えずに入れないほうが良いという事がよくわかりました。
「吸音材を入れたから音が良くなっているはずだ!」という、ある意味プラシーボ効果的な物はあっていいとは思いますが、実際に今回の実験でウレタン2面とかの方が音が心地よく感じたのは事実です。
実際に自分で経験してみないと分からないことでした。
私のように多く貼りすぎている方も多いと思いますが、何も考えずに入れるなら3面までにしておいた方が心地よい音になる可能性が高いですよ!
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