東京木材市場内浜問屋 新木場相原のブログです

平井の本棚で開催された「森はワンダーランドではなかった?『絶望の林業』に至ったワケ」に参加しました

平井の本棚で開催された「森はワンダーランドではなかった?『絶望の林業』に至ったワケ」に参加しました。

参加動機は、今回のゲストである田中敦夫さんにどうしても会ってお話を聞いてみたかったから。

今回の記事はこのイベントのレポートとなります。

(コロナウイルスが話題になる前のイベントでした)

田中敦夫さんについて

まずは、今回の話し手である田中敦夫さんについてです。

田中さんは、日本で唯一の「森林ジャーナリスト」という肩書を持っています。もともと日本の森林について研究をされているわけではなく、探検などが好きな方でした。

木材業界にいると田中敦夫さんと聞いて、「あ!!!知ってる!!」と思う方は少なくないはず。たまーにヤフーニュースなんかで取り上げられたりしますからね。結構過激な文章を書かれるので失礼ながら「怖い人」なのかと勝手に想像していましたが、実際に会ってみると実に気さくで面白い方でした。

「絶望の林業」という本を書かれています。

田中さんのブログ記事はかなり面白いので一読の価値ありです!

田中さんのブログ記事一覧へのリンク

イベント進行は対話式でした

今回のイベントは田中さんが前に出てひたすらしゃべる形式ではなく、当日参加された方と対話形式で行われました。意外にも参加者の中で木材業界の方はそこまで多くない印象でした。

現状の日本の森林の状態について調べた事について、みんなに意見を求めそれに対して回答していく形で進行されました。

外国の森に対する付き合い方、日本の森に対する付き合い方、外国で上手くいっている例と、それは何故日本ではダメなのか?

色々な問題が色々な報告から絡まってどうにもこうにも解決できない状態に陥っている事が分かりました。

人の手によってどうにもこうにも行かなくなってきている今現状で、森や林業、木材に関わっているすべての人間を総とっかえしてガッチャンコでもしない限り、人の力で問題を解決するのは難しそうです。仮に、出来たとしても解決できるとは限りませんけれど。

なんにしても、長い時間をかけて人の手で作られてきた仕組みや考え、知識や文化、各々を取り巻く環境の変化が森林や林業を始め下流の木材業界をも絶望に追いやってきたと…改めて考えるきっかけとなりました。

 

絶望の林業は業界にいる人全員に読んでほしい本

イベント終了時に「絶望の林業」を購入。あまりにも面白くて一気にすべて読んでしまいました。

内容はまさに絶望の林業そのもの。川上から川下まで分業制でつながっている木材業界の絶望をすごくわかりやすくまとめてありました。

「そうそう、そうなんだよな~」みたいな親近感と同時に、「何から手を付けていいのかわからない感」みたいなものも同時に襲ってくる。まさに今の木材業界の現状をまとめた渾身の一冊といった感じ。これさえ読めば、なんで今こんな状況なのかをすべて把握できると言っていいほど。

ネットニュースでは多少過激な感じの印象を受ける文章でしたが、本人と直接会って、お話しさせていただいた後に本を読んだので田中さんの語りが聞こえてきそうなイメージで読み進めることが出来ました。ネットニュースを読み返してみても「あぁ、別にあえて棘のある感じを含ませて書いているわけではないんだな」と感じます。

木材業界にいる人、木育や木づかい関係の人は、コレ読んでから行動したほうがよいですよ。マジで。

「○○という乾燥方法が~」「○○という製品をつくれば~」「○○という取り組みが~」なんてこと以前の問題だと気づかされます。 

特に林野庁の人全員に読んでいただきたい。このままだと何をやっても絶望の中の絶望に進んでいくだけだと理解できるはずです。

一応、最終章には「希望の林業」という項目があります。この絶望の中の絶望に何に、どうやって希望を見出すのか。考えるきっかけになるはずです。

サインもらっちゃいました!!!

平井の本棚

最後に平井の本棚の紹介。

江戸川区の平井駅徒歩数十秒の位置にある、本屋さんです。

新刊と中古の本の取り扱いがあります。今回のような様々なイベントも随時開催されており、そのイベントに合わせた関連書籍の販売も行っています。古くて新しい本屋さんです!

平井駅に寄った際にはぜひ足を運んでみてくださいね。

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