◆自作カホン作りの参考にしていただければと思い、
ノウハウをすべてまとめました!◆
この記事は今までのカホン作りのまとめであるとともに、
あいはらの木 カホンキット 想-OMOI-の説明書を作る過程での記事になります。
なので、この記事を読んで同じ材料で同じように作っていただけると、カホンキット想と同じカホンを作ることが出来ます!
ここのページより各部位について細かくまとめた物は下のリンクにあります
目次
1、カホンの材料選びについて。
2、材料のカットについて。
3、箱を組み立てよう!
4、背面を付けよう!
5、内部の響き弦機構を作ろう!
6、打面を付けよう!
7、カンナ、やすりがけをしよう!
8、カホンの高さを自分に合わせよう!
9、カホンに足を付けよう!
10、カホンの塗装をしよう!
11、さらにあなた好みの仕様にしてみよう
12、あなたのカホンを変える!?こんなアイテムもあります。
13、カホンキットの組立説明動画でわかりやすく説明しました!
では、1つずつ見ていきましょう!
1、カホンの材料選びについて。(箱材
カホンには「合板」(ごうはん)と呼ばれる材料が適しています。
合板とは木を薄くカツラ剥きした物を貼り合わせた物です。
材料の厚さと使用している樹種によって音が変わります
箱材の材料選びのポイント!
箱材に使用する合板選びのポイントは重ねられている合板の枚数=PLY(プライ)数です。
写真の合板は15㎜を使用しました。③は9プライ ②は7プライ ①は5プライです。
実験の結果は多ければ多いほど締まった音になりました。
逆に①ぐらい密度が薄いと「ポ~ン」というなんだか情けない音になります。
ちなみにスピーカー等に使われている安価なMDFという素材は
木を繊維状にして接着剤で固めたものなので、木というより接着剤の印象が強いです。
木口面にビスなどをすると割れなどが起こりやすい材です。
車のスピーカーに付けるバッフルボードなどには向いている材料です。
シナ共芯合板では12㎜と15㎜の厚さで実験したところ
15㎜の方が低音が厚く響く印象を受けました。
12㎜ではなんだか軽い感じです。低音のインパクトは厚みとPLY数に比例します。
材料選びは手作り楽器の一番のポイントです。
どうせ作るなら、「良い材料」を選んで作りたいですよね!
※「あいはらの木 カホンキット」に使用している材料は③のシナ共芯合板と呼ばれる高価で特殊な合板です。
私が実験した限り、一番低音の響きに締りがあります。
背面の材料選びのポイント!
背面はサウンドホールを開ける為、あまり厚く無い方がいいかもしれません。
あいはらの木 カホンキット では4㎜のシナ共芯合板を使用しています。
3㎜以下の薄い材料を使うと、
サウンドホールに手を入れてカホンを持ち運ぶ際に割れる可能性があります。
打面の材料選びのポイント!
打面は厚くて固いほど、パリッとした音になります。
薄くて柔らかければ柔らかいほど温かみのある音になります。
私が2.5㎜ラワン材 3㎜チーク突板化粧合板 4㎜シナ共芯 で実験したところ
ホームセンターで買ってきた2.5㎜ラワンでは
柔らかすぎて軽すぎるポン~~・ペン~~だか 残念な音に・・・
逆に4㎜の合板だと硬すぎて手が痛い・・・叩き続けられません・・・
基本的には薄くなればなるほど、叩きやすい印象を受けます。
中のバズ音を上手く響かせるには個人的には3㎜ぐらいがちょうどいいと感じます。
3㎜の打面用突板化粧は現在6種類、シナ共芯合板は3mm、4mmの2種類。
あいはらの木のカホンキット想の打面は全部で8種類からお選びいただいています。
木は樹種によって固さが異なる為、打面の突板合板の表面の樹種によって
音に個性を出すことができます。(塗装でも打面の固さは変えられます)
杉 → ヒノキ → チーク → バーチ → ブビンガ → ゼブラ
の順に固いです。
シナ共芯合板はシナ自体はやわらかいですが化粧合板の芯材がラワンなのに比べ
芯材、表面材の全てがシナで出来ている分だけ固さは上回っています。
2、材料のカットについて。
材料は、お金を払ってプロにカットしてもらいましょう。
木工の素人では、絶対に直線も角度も真っすぐに切れません。
ホームセンターではカットが上手い人であれば頼むのもアリです。
すこしでもずれると、きちんとした「箱」が作れず歪んだ残念なカホンが出来上がります。
リスクはホームセンターでのカット担当の方がパネルソーと呼ばれる木をカットする機械の扱いが上手か、そこまでの精度が出せるのか?というところですね。
これはその時の担当者さんの腕がいいかどうか、運になりますのでこちら側でどうにかできるものではないのが苦しい所です。
あいはらの木カホンキットは
ピッタリの寸法にカットした物をご用意しております。
3、箱を組み立てよう!
垂直に、ツラを合わせてボンドで貼りつけましょう。
ボンドの塗り方は、薄く平らに指で伸ばし、重しを載せて接着します。
その後の加工ができるようになるまで約2時間待ちましょう。
待ち時間に響き弦の工作をするとよいと思います。
箱の組み立てに使用するのは、木工用ボンドだけで十分だと考えています。
木工用ボンドの接着力はとても強力で
ボンドを指で平らに延ばし正しく接着できると、剥がすのはとても困難になります。
不安であれば補強の棒を入れてもいいと思います。
木工用ボンドのみで今のところ何の不具合もありません。
箱を組み立てる時のポイント
・ツラをピッタリと合わせましょう。
ツラが合わないと、接合部がずれて打面及び裏面がきちんととりつけられません。
・垂直をしっかり確認しましょう。
さしがねを使い垂直を確認しながら固定しないと、斜めに歪んだ箱になってしまいます。
4、背面を付けよう!
3で作った箱材に
+ドライバーと木ねじを使い背面を取り付けます。
背面にはサウンドホールという穴を開けます。
側面にサウンドホールを開けるカホンもありますが、
今回は打面の対面である背面にサウンドホールを開けます。
サウンドホールはその大きさと位置で低音の性格を変えることが出来ます。
図にすると以下のようになります。参考に開けていただければと思います。
あいはらの木カホンキットでは、サウンドホール有り と 無し の取扱があります。
サウンドホール有りでは センターより少し上に直径11㎝のサウンドホールが開いております。
サウンドホール無しは4㎜シナ共芯合板の穴なしとなります。
厚い材料にしない理由は、重さにあります。厚い材料になればなるほどカホンは重くなります。 重いカホンを運ぶの、おっくうですよね。
5、内部の響き弦の機構を作ろう!
カホンの内部の響き弦は大きく分けて2種類あります。
①スナッピータイプ
スネアドラムの裏に貼ってある響き弦「スナッピー」を
打面に当てバズ音を出すタイプです。
音的にはカタカナ全角で「ジャン」という感じです。
ドラムのスネアに似たバズ音が出せます。
ポップスやロック等に合います。
②ワイヤータイプ
打面にワイヤーやギターの弦を当ててバズ音を出すタイプです。
音的にはカタカナ半角で「ジャ」といった感じです。
歯切れのよいバズ音が特徴です。
アコースティックやフラメンコなどに合います。
響き弦のポイント!
どうやって打面に響き弦を当てるのか?で音が変わります。
ローもハイもバズ音を出すのか、ローは鳴らさないようにするのか、
ジャンジャンなるようにするのか、パリッとした音にするのか。
その辺を調整しながら作れるのも自作のいい所ですね。
※あいはらの木 カホンキットには響き弦の設計図をお付けします
6、打面を付けよう!
内部機構の取り付けが終わったら打面を付けましょう。
背面と同じく +ドライバー と木ねじを使用します。
あいはらの木 カホンキット 想-OMOI-では、調整がしやすい穴位置と
打面浮かしを想定した皿取加工がされております。
お疲れさまでした!ココまででカホンはひとまず完成です!!
ココから先は、あなたの好みに合わせたカホンに近づけていきましょう。
7、カンナがけ、ヤスリがけをしよう!
このままでは、カホンのカドが内またに当たって痛いと思います。
カンナがけ、ヤスリがけなどで角をとっていきましょう。
電動トリマー(電動ルーター)をお持ちの方はそれを使うのもいいです。
合わせて打面の上部のカドもまるくできれば、
ハイを叩いた時に角が手に当たって痛い!という心配も無くなります。
好みに合わせて丸みを付けましょう。
8、カホンの高さを自分に合わせよう!
「高さ45センチのカホンが少し低いな」 と思ったら
木等を取り付けることで自分にあった高さにしてみましょう。
最初から背の高いカホンを低くする事はできませんが、
45センチのカホンに高さを足す事はできます。
私は+3センチの木材をとりつけたりしています。
9、カホンに足を付けよう!
出来上がったカホンに足を付けましょう。
ドラムセットに使われているゴム足のように、音質的な意味でも足には意味があります。
それプラス、フローリング等に傷が付くのを防ぐ事ができます。
「ゴム足」「フェルト」などが音的にはオススメです。
黒いゴム跡が気になる方はフェルトの方がいいと思います。
売っているカホンもフェルト足の物があります。
※あいはらの木 カホンキット想には白いゴム足4個が付いております。
差別化の為、はじめてのカホンキットは黒いゴム足とさせていただいています。
白いゴム足は、地面に黒いゴム跡が付かないので、オススメです。
10、カホンの塗装をしよう!
お好みに合わせて塗装をしてみましょう。
見た目の変化もありますが、
楽器は塗装によって音の変化があります。
下の写真は全て同じ樹種の打面で塗装が違うものです。
(一番右の無塗装以外は全てクリア塗装です)
塗料の硬さは シリコン>ウレタン>アクリル の順に固く、
これらは木に染み込まず、全て表面に被膜を作るタイプの塗装となりますので
塗装が固くなればなるほど、パリっとした音になります。
一番バランスが良いのがウレタン系の塗料だと感じます。
(市販のカホンも基本的にウレタン塗装がされています)
オイルフィニッシュやワックス塗料は、木に染み込む含侵系の塗料になります。
こちらは、無塗装の音色をそのままの風合いを活かせます。
お好みでどうぞ!!
下の写真は全て打面杉で 右から 漆、シリコン、ウレタン、アクリル、無塗装 の見本となります。
11、さらにあなた好みの仕様にしてみよう
響き弦の調整、響き弦自体の交換、打面のネジ穴の間隔、打面の浮かし具合を変えるだけでもカホンの音を変える事ができます。
自作カホンだからこそカスタムも気軽に出来ますね。
(カホンに関する考察のキモ部分はカホンキットの説明書にお付けしています。)
12、あなたのカホンを変える!?
こんなアイテムもあります。
鈴
鈴には、大きさの他に和風な物、洋風な物等様々な物があります。
響き弦に仕込んでみると音に面白いアクセントが出ます!
色々実験してみましょう!
タオル
カホンの内部にタオルを入れて打面にファサッと触れさせることで
イイ具合にミュートをさせる事ができます。
当て具合やタオルの種類でも音が変わります。
色々試してお好みの音を目指してみましょう。
13、組立説明動画でわかりやすく説明します!
組み立ての参考にしていただけると幸いです。
カホン 自作 などのキーワードでお越しの方へ
このサイトは、「カホン 自作」「カホン 手作り」等のキーワードで検索されてこられる方がとても多いです。
それだけ、自分でカホンを作ってみたいという方が多いということだと思います。
そんな方は是非、このサイト内で一番人気の記事のこちらを参考にしていただければと思います。
ホームセンターに売っている素材でも、それなりの物が作れると思います。
また、こちらに自作カホン専用のページを作成させていただきましたので、こちらも参考にしていただけると幸いです。
材料の木取りから、必要な工具、カホン作成のコツまで、自作カホンづくりの全てを全公開しています。
姉妹ページ カホンの作り方全公開
失敗や、余計な工具を買いたくない方はキット作成がオススメです
カホンを自作する方へ、知っておいて欲しい事
作ること自体は、そこまで大変な作業ではないのですが
以下のような点を知っておいていただくと良いかもしれません!
①様々な工具が必要です。
組立自体は難しいことはないですが、実は様々な工具が必要だったりします。
例を挙げると
・クランプ
・ベルトストラップ
・+ドライバー
・さしがね
・木工用ボンド
・紙やすり
・電動ドリル か インパクトドライバー
・ドライバービット
・ドリル刃
・ネジ類
・下穴を開ける用の木材
等ですね。
ちなみにこれはマイネルさんのカホンキットを組み立てるために必要な工具の一部で 更に、組立用木材 約 25×25×300㎜ と 310×455の合板を別途用意する必要があります。
マイネルさんのカホンキットはコチラです。気になる方は見てみて下さい!
②合板には余りがでます。
合板の既製品のサイズからはちょうどピッタリ1台は作れません。
カホンの作成には打面と背面、そして側面の板、天板、底板が必要となります。
うまいこと木取りをしても、合板はかなり余ります。
ホームセンターなどで売っている合板の既製品のサイズ 1820×910 からは側面板が約3台分が作れます。
あいはらの木のカホンキットでは厚さと樹種違いで1台で3種類の合板を組み合わせています。
なのでもし、同じように3種の3枚の厚さ違いの合板からカホンを作るとなると、かなりの量の余りが出ます。
(図面を引いていただければわかりますが、半端な感じに残ります・・・捨てるのも面倒くさいです)
一応、知っておいた方が良いと思います。
③出来栄えはホームセンターのパネルソー担当の方の腕に左右されます。
素人では、まず間違いなく材料を真っすぐ切ることはできません!
そこで、ホームセンターのカットサービスに材料のカットをお願いする事になります。
パネルソーと呼ばれる機会を使って真っすぐに材料をカットできますが、幅をそろえるのはアナログなため、その辺が担当者の腕にかかってくる感じになります。
ちなみに、1㎜ずれるだけで、結構仕上がりに差が出ます。
やってみればわかりますが、組立の時もそのズレを修正するためにカンナやヤスリなどで
調整が必要だったり・・・それも失敗するとまた修正が・・・地味にとても大変です。
「自作カホンで失敗したくない!!!」
「準備するのが面倒くさそう!!!」
「どうせ作るなら良い材料で作りたい!!」
そんな方はあいはらの木のカホンキットも一度ご検討頂いただけると幸いです。
なんだか面倒くさそう!と思ったら
「カホンキット想」
あいはらの木のカホンキットは、
・めんどくさい工具を買いそろえる必要無し!
おうちにあるドライバーセットだけで組立OK!
・木工用ボンド、キリ、サシガネ、紙やすりも付いてくる!
・ピッタリカットした材料で失敗しない!
そんな、あなたを想うカホンキットを作りました!
beatingというハイクオリティカホンにも使われている材です。
組立に必要な工具付きなので、ご自宅にあるプラスドライバーだけで組みあがります!
他のカホンキットで必要になるような特殊な工具の書い足しの必要はありません!
「想」-OMOI-をお使いのお客様の声
キットをご購入いただいた方に、お喜びの声をいただきました。
(写真はお客様に組み立てていただいた実際のカホンの写真です)
結構、よい! スナッピーの当て方で音の表情が変わる事を自作キットを購入することによって体感できた。 |
叩いてみて、ビックリ。とてもいい音がしました。 |
想像以上の音が出て驚きました。 打楽器はビギナーですが、上手く叩けるようになったら、是非、ギターとあわせたいです。 |
思ったよりもよくできた。 音の感触や木の感触も気に入ったので今後も使っていきたいと思う。 |
どんな音楽にも使える幅広い音色が良いんじゃないかと思ってましたが、出来上がった音を聞いて、このカホンにしか出せない音というのがかわいいんじゃないかと思うようになりました。 |
楽器を自分で組み立てる過程がめちゃくちゃ楽しく、童心に戻りました。 完成してからの打面の調整や、スナッピーのあて方や、あてる強さで音色が変わるので奥深さを感じました。 とても良いキットで大満足しています。 |
組み立て説明が 分かりやすかったです。 木が真っ直ぐで厚みもあるので、ボンドの作業が 非常に楽でした。 スナッピーの取り付け 角度に苦労して3回やり直しましたが、 手触りが柔らかく、響きのある低音も出るので気に入っています。 リビングに置いても色合いがきれいなので違和感がありません。 子供もよく叩いています。 |
ワンランク上の自作をしたい方はぜひ下記リンクをのぞいてみて下さい。
ライブでもお使いいただいています。
(使用動画を教えていただければブログ記事に取り上げさせていただきます!)
(ちなみにこちらの打面はヒノキです)
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