東京木材市場内浜問屋 新木場相原のブログです

実際に自分で体験すると、人の気持ちを理解しやすくなる。そんな原木市のお話し

 

 

「人の気持ちを理解する」

これって難しいですよね。

 

 

でも、それは「本気で理解する気が無い」から

「難しい」という一言で片付けようとしている部分もあると思うのです。

 

 

 

私がこのブログを書き始めた時、

セリや、市に対する批判の記事がやたら多かったように感じます。

「セリで材がセリ下がる。市にお客様が来ない。」

「売上のほとんどが付け売り状態でセリでの売上はほとんど無い」

「今は市売は成り立たないんじゃないか」

それは、そんな私が感じている「現実」から書きだされた記事です。

 

 

現実だけをみて感じた事なので、それ自体は間違っていないと私は思っています。

私が相原に来て初めてのヒラ市はお客さん1名でしたから・・・(しかも知り合い)

「なに?コレ??これで商売が成り立つの?」という気持ちは今でも忘れられません

 

 

昨日 セリが、そして市が好きな人の気持ちの一部を理解する事が出来ました。

千葉県木材市場協同組合【モクイチ】さんの記念市へ行ったのですが、

その場で原木のセリに参加できる機会を得たのです。

 

モクイチさんでの写真

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原木の世界はとても奥が深いです。

榎戸材木店さんのブログ記事(こちらには素敵な写真がいっぱいあります)

でもある通り

その場にはその木が一本一本が生きてきた物語を語れる人達がいっぱいです。

キラキラした目で

「この木は何年ぐらいで枝打ちしてるな」「風当たりが強かったんだな」

「節はこの辺で消えるな」「俺だったらこう割いてこう使うな」

「ココから先は使い物にならんなぁ」「あの辺に生えてる木だな」

中を割いて見てもないのによくわかるなぁ~

 

 

私は、こういう人達の事を勝手に

「山武杉のストーリーテラー」

と名付けました。

 

 

良い原木は、山武杉のストーリーテラー皆が狙っています。

どんどんセリ上がって、1本100万円オーバーの物も!!

 

 

逆に悪い原木は、いかに安くとも声がかかりません(値段がつきません)

素人にはパッと見同じようにみえる原木も

三武杉のストーリーテラーたちから見たらまったく魅力の無いものらしいです。 

原木素人にはまったくわからないです。

 

 

私が頼まれてセリに挑戦したのは山武杉の二番玉 3本。

 

 

セリの場で声掛けをして、隣にいる人と競り合う、

お互いの顔を見ながらの値段の駆け引き、

 

 

欲しい欲しい欲しいコレが!コレだけが!

えっ!?コレどこまでセリ上がるんだ!?

落とせなかったら仕入れが出来ない!頼む!もう、退いてくれ!

この人たち、一体いくらまで出すんだ!?

 

声をあげている間、

ドキドキの動機がずっと収まりません!

 

 

「あれ!?セリってこんなにスリリングで楽しい物だったのか!?」

そんな感情が私を襲いました。

 

 

あぁ・・・東木でも

市売とセリが好きな人はきっと、こんな気持ちで仕事をしていたんだ

 

材木を競って買う事、競り上げる楽しさと共に仕入れに関わる大切なもの

木を、材木を扱う事に対して真摯だったのだと思います。

 

それなのに、そんな人たちの気持ちを無視して、

「セリでははもう駄目だ!」なんて・・・

人の好きな事を、楽しい事を否定するような酷い記事を書いていたんだな・・・

そんな気持ちになりました。

 

 

人の気持ちを理解するには、その人と同じような状況を体験する事が

一番なんじゃないかと思いました。

 

 

そして

現実をちゃんと見ながらも、それまでの過去を否定しない。

そう心がけようと思いました。

 

 

セリでは結果的に、

私が競り勝ち落札できたのは1本だけでした。

残り2本は出せる金額のはるか上の金額で落札されました。

山武杉のストーリーテラー恐るべし!!

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