2020年10月13~15日の3日間
全国木材市売買方組合主催のJAS構造材木材利用拡大普及啓発インターンシップセミナーが開催されました。
このセミナーでは、「木造建築設計におけるJAS製材の使い方と調達」「木質材料の特性」などを学ぶことが出来ました。
私は、スタッフ側で参加させていただきました。
今回のセミナーで受けた私の感想は、「今の木材流通の流れから言えば、もはや市場の入り込む余地はない」ということでしょうか。
記事最後のまとめでこの辺についても詳しく書いていきます。
1日目 座学
座学では、以下の講義が行われました。
①林野庁による森林林業施策と木材利用
②合法伐採木材、森林認証材
③木材の木質材料の特性
④JAS製材品の規格や概要について
⑤アトリエフルカワの古川さんによる木造建築設計におけるJAS製材の使い方と調達方法について
朝から夕方まで非常に濃厚な講座でした。
2日目 木の保育園 プレカット工場 製材工場見学
2日目は木の保育園、プレカット工場、製材工場の見学を行いました。
桑の木保育園
桑の木保育園を設計した古川さんによる説明の様子。
コロナウイルスの関係で建物内の見学は出来ませんでしたが、建物の外をぐるっと回りながらJAS製材品の使用事例や設計に関する説明をされました。
プレカット工場 株式会社サイモクホーム
今の木造建築は、ほぼ100%プレカットによる加工がされています。
昔は、大工さんの手刻みによってつくられていたものが、わずか数十秒で加工されて次から次へと出てきます。
製材工場 金子製材株式会社
丸太の皮むき→製材→重さ分けによるグレーディング→乾燥機→4面モルダー→含水率ヤング係数測定→JASグレーディングという製材の流れを学びました。
3日目 素材生産現場 木村木材フォレスト株式会社
実際に、森林作業道を自分の足で登り、伐採の見学、作業道づくりの見学等を行いました。
以上が、今回のセミナー内容になります。
まとめ と 感想
よくある木材系の講座は、川上(山側)から順をおって川下(建物)になるまでを勉強していきますが、今回はまったく逆の順番でした。
使われている現場→プレカット→製材乾燥→山という順に見学をすることで実際にどんな過程で現場に使われるようになるのかを学ぶことが出来たかと思います。
伐採の現場も、作業道づくりも、製材もプレカットも普段では絶対に見られないため非常に貴重な経験が出来たのではないでしょうか。
さて、冒頭で説明した「今の木材流通の流れから言えば、もはや市場の入り込む余地はない」について説明させていただきます。まぁ元々入り込む余地はないような状況なのは知ってましたけどね。
今回、見学させていただいた木村木材フォレスト株式会社さんでは、年間10000㎥もの原木を出材しています。これらの売り先は独自の販売ルートで各製材所へ売られるため原木市場にはほとんど流通しないとの事でした。
つまり、私たち市場を経由する流通のルートは無いという事です。
昔ながらの木材の流通ルート
一番上の矢印を経て木材は流通していました。
今回のセミナーでは
こんな感じです。原木市場も木材の製品市場も、材木屋さんすら経由しない流通ルートになっています。
これが、新しいスタンダードになっているんです。これに入り込むスキは無いと感じました。
では、我々川中の木材流通の人間はこれからどうすればいいのか?必死に考え行動するときが来ています。
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