東京木材市場内浜問屋 新木場相原のブログです

大工の会にオブザーバーとして参加して感じた事

2022/6/30に幕張テクノガーデンで行われた(株)ウッドステーション&(株)木村建造の木村さんが主催の「大工の会」にオブザーバーとして参加してきました。

プレカットを通る木材流通ルートが今のメインですが、市場を通る木材流通では 問屋→材木屋→大工・工務店 となっています。

すなわち大工さんは、お客さん(材木屋さん)のお客さんになります。

材木問屋は、お客さんである材木屋さんの求める材料を用意するのが仕事ですが、そのお客さんである大工さんの事を知ることが出来れば、どんな材を用意すればいいのか少し明るくなっていくのではと思ったのです。

結局、その辺の疑問は解決できなかったのですが、新たな発見と気づきもあったので備忘録的に残しておきます。

 

どちらも、そもそも木材流通のメインにいない

そもそも、プレカットの登場により新築の建築材としての市場経由の木材流通はメインではなくなっています。新築の構造材の約97%がプレカット経由なので、市場は木材流通の主流ではないんです。

同じように、今の大工さんの多くも「現場作業員化」しているので材料を仕入れて仕事をする木材流通の主流の木材に関わってはいながら乗っかっていません。

今の木材流通は、プレカットを経由したものがメインとなっています。なので、どんな材を用意すればいいのかもなにもなかったわけです。

大工さんの需要

まだまだ大工さんには需要があります。施工図だけでは細かいところの納まりが解決できないところが多いからです。

納まりを考えて、実際に施工して納めるのは大工さんなのに、施工図も書かず脳内で済ませてしまうからその分の請求もできない。

最も大変なところなのにもかからわらず無料でやってるということです。

無料だから使われる。需要がなくならないという。この施工図を描かないせいで請求ができない悪循環のおかげで大工さんの需要があるともいえます。

 

大工の歴史

大工会では、塾長である塩地さんより大工の歴史の説明がありました。

その昔権力者の実行者であった大工が、偉い人によって法律が変わった事で権力者側から町の為の人になってしまった。

国家の教育制度によって、口伝が否定され大工は建築学の外へ。そこからの現場作業員化。

宮大工の将来。

納まりを考えている、大工の仕事の価値。

などなど。いかにして大工が今の立場になったのか。

その後、私たち木材問屋のお客さんである材木屋さんの減少にもつながってくるような動画で残しておけばよかったというほど価値のあるものでした。

その解決策も提示していました。現実的に難しいのかどうなのかは別として、かなり正解に近いと思います。

うまくいけば、日本の山を取り巻くいろいろな問題が同時に解決していくと感じました。

 

大工会に参加して感じた事

・元受け大工、手間受け大工など、いろいろな〇〇大工さんがいた。

・建築士の資格を持った大工さんが結構多い。

・コミュニケーション能力がめちゃくちゃ高い。

・大工さんには無限の可能性がある。

大工さんのディスカッションを聞いている中、なんとなく肌で感じたのは、大工さんの多くが求めているのは「用意された出口」ではなくて、「自分が作り出す出口」なのではないかな?ということです。

この辺に関してはまだモンヤリしているので別記事にしようと思います。

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