東京木材市場内浜問屋 新木場相原のブログです

「木」にはロマンがある!

今のビジネスモデルの75%は「悩み解消型」ビジネスだと、とある本に書いてありました。

 

「○○が困った。○○をなんとかしたい。」といった

「恐怖」や「不満」、「苦痛」や「怒り」を解消する為のビジネスモデルです。

 

残りの25%が欲求充足型、いわゆる「幸福」を与える為のビジネスモデルですね。

ディズニーランドとかがいい例です。

 

 

何か商売をしようと思った時に考えなくてはいけないのが

「誰に」対して「何を」提供するのか。 という事ですが、もうひとつ大切な物が

 

 

人の感情 だと思うんです。

どんな感情を与える為に、どんな感情を解消する為に。を考える。

という事ですね。

 

 

例えば

「品質のとてもいい物を買った」「いい体験をした」「これで不安が解消できる」「こうすれば怒りが収まる」とか

また、「安くて良かった」も立派な感情です。

 

 

先日の千葉県木材市場協同組合さんの年に2回の大きな記念市。

 

そこで感じたのが、木は「ロマン」という感情をくすぐる!という事です。

 

先日お邪魔した「森と人を繋げる」 木暮人倶楽部の吉田先生も

天竜ドライシステムさんの「月齢伐採」にロマンを感じた との事でした。

月齢伐採はこちらをクリック

 

あたりまえですが、木は一本一本違います。オンリーワンです。同じ物は出てきません。

同じ木でも、元玉、二番玉、三番玉で全然違う物です。

 

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私のような原木を全く知らない人間は、置いてある材のそのほとんどが同じに見えます。

私の思ったのも せいぜい「これは太いな」「これは節があるな」「傷があるな」「赤身がだいぶ黒いな」とかぐらいでしたね。

 

しかし、そこは皆プロ。目を付けている木はおおよそ同じ。競り子さんもプロ、指し値が木によって全然違います。

 

同じように見えた物でも、全く値段が付かない物もあれば、1本100万円を超えるまで競り上がる物まで様々。争う材は皆で争って値段が上がるし、そうでないものは誰も声すら出さない。

そんな状況でした。原木業界凄いな。

 

 

プロの方は、たとえばこういう所を見ているみたいです。

「葉節」

元玉によくある節。外からみるとつまようじの先っちょみたいなのがチョロっとでているだけだが、製材してみると中まで細い節が通っている事が。材の強度的には問題ないが、見た目に悪い為に建具には向かないとの事。

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外からみて、なおかつ皮の上からでもわかるんだから凄いものです。

 

ブランドの「山武杉」はその厚い皮、油分、目の綺麗さが特徴だとの事でした。

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どうやって製材したら どんな物が取れるか。結果は製材してみるまで分からなかったり。

ある意味ギャンブルのような要素も含まれているけれど、それが好き。っていう方も多かったりするようです。

 

1本の「木」がどうやって育ってきたのか。プロはそういう事も見ればわかるようです。

「雷に打たれてるな」とか「風にだいぶあたってたな」とか「染みがここまで来てるな」とか。

 

これを落とせたら何に使おうか、どうやって木取りしようとかを考えながら品定めしている方たちは、なんだかキラキラしてました。

 

もちろん、やってる商売によって使う材の大きさは違うのですが、こういう大きな物のセリには多くの人が野次馬というか「物見たさ」でやってきます。 

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実際に声を出して競り上げているのは5、6人ですが それでも盛り上がるように見えましたね。

その5、6人に依頼をして入札してもらっている人もいたので実際に競りに参加している人は多かったのかもしれません。

 

製材したらどんなイイ物がとれるだろう?

どうやって木どりして何を取ろうか?

○○円までなら出せるが、競り落とせるだろうか?

この材料は取り方によってはもしかしたら化けるぞ!

雷に打たれてる材料は製材したらバキバキになるから値段はつかんよ。

これは、きっと半分ぐらいで葉節は無くなっているはずだ。

 

そんな言葉がアチコチから聞こえます。

 

競りの会場では、そんなドキドキする「ロマン」を感じました。

誘われるままに行って本当に良かった。

 

 

私のいる製品市場では

実際に製品にされてきたものを見ただけで、なかなかそこまでを考える事は難しいです。

せいぜい、この製材所の製品はイイ だとか、 今回仕入れた梱包は節が少なめで物がイイな とかその程度ですね。

 

 

木は その土地に植えられ、切り倒され、製材され最終的に使われるまでに

「木」はその木ならではの歴史を刻んでいます。それこそ私たち人間よりはるかに長い歴史です。そのストーリーを解釈できる人間が原木のセリの業界にはいるんだな。

と感じました。

 

最初に戻りますが、木には無機質な物には無い自然素材ならではのストーリがあります。

「ロマン」がある物は 「悩み解消型」のビジネスではなく「欲求充足型」のビジネスに使った方がいいんじゃないかな?と考えました。

 

「安心」「満足」「希望」「喜び」「興奮」 木という素材を使って、そういった感情を与える事が出来るはずです。MOKUWALLもオフィス空間に安らぎを与えられると思いますし。

私も、どうせ材木業界にいるのであればこういった形の感情をお客さんに与える商売がしたいです。

 

今では

「間伐しないと森が大変!だから木を使おう!」とか「環境の為に木を使った方がいい」とか

 森や山林の不満を解消するような、なんか木の価値を下げるというと失礼ですが、

そんな売り込み方がメインになっちゃってるような気がします。

 

「うん!だから私は木を使うんだよ!」っていうような

「欲求充足型」に持っていくには何かストーリー立てた何かが必要ではないでしょうか??

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