私が西粟倉村に行って気付いた事を
少しづつ書いていきます。
↑のページにリンクを貼っていきます。
新しいカテゴリ まとめ も作成しました。
第一回目は
それぞれの立ち位置で「木」に対する考えが違う です。
ここでいう「立ち位置」とは原木の出荷に関わる方で
「良い原木を育て、林業家として成り立っている」
まさに理想の林業をされている方
と
「地域にある資源をうまく使おう!」
という地域再生をされる方の事です。
西粟倉村は、面積の約95%が山林、
その内の約85%を杉や檜などの人工林が占めている村です。
ですが、クオリティの高い原木ばかりが取れるわけではありません。
(きちんと手入れがされている綺麗な場所もありますが)
吉野、秋田、土佐、天竜等のブランド材のように原木で差別化はとれません。
本当に価値のある材を出せる産地であれば
原木に高値が付き、林業というものが成り立ちます。
それが、林業の理想の形だとも思います。
原木で差異性を出して行く という事です。
では、西粟倉村のように材料で差別化のしようがない地域は
「木」にどうやって差異性をつければいいのか?
最終的に「製品」になる段階で差異性を取る
という方法です。
その一つが、ユカハリタイルです。
ユカハリタイルはその名の通り、ゴムシートに杉、ヒノキ材が貼られている物で
床に貼って置くだけで簡単に無垢の床の木質化が可能な画期的な商品です。
気軽に施工できるのでオフィスの木質化等に使われたりと、大人気商品となっています。
職人による施工費や、施工時間がかからない事も大きな特徴です。
このユカハリタイルは、原木の良し悪しにそこまで左右されません。
製作段階で悪い部位をハねる事ができますからね。
理想の 「木」を育て、「木」を売る という林業は
きちんと、下刈り、枝打ち、間伐などの手入れを行い
原木自体のクオリティ、価値を高めていく事なのだと思います。
(映画WOOD JOB!ウッジョブ!のような感じです)
山主や林業家の方は「良い原木を育てるんだ!」
という想いを大切に仕事をされているのだと思います。
自伐林家の方や、「林業とはこうあるべきだ!」という
原木のクオリティという価値を大切にしたい方は
「木」を巡る商流の最初をこの理想形に近づけたいのだと感じます。
私も、林業の理想の形はこれだと思っていました。
(WOODJOB!の影響もありますが)
ですが、西粟倉村のように高品質ブランド材戦略がとりづらい所もあります。
材料自体に差別化が図れないのであれば、ターゲットを材木業界だけに絞らず
価値のある製品をつくりだして差別化を図る等の戦略が必要になります。
一概に「木を売り、山を育てる」とは言っても様々な想いがありますね。
(西粟倉村における「木」は村おこしの一つのツールというのもあると思います)
[…] 1、それぞれの立ち位置で「木」に対する考えが違う事 […]