西粟倉村に行って気付いたシリーズ 7
7、個々の力に頼るような「特別な技術や知識」のいらない仕組み作り。
西粟倉村では
森の学校の工場のユカハリタイルの開発生産等
木に対して特別な技術や知識が無くても「木」で利益を出せる仕組みがあります。
私がこの業界に来て思った事の一つが
「木を覚えるには物凄く時間がかかりそうだ」という事。
しかもこの業界では、使う材木屋さんによって木の良し悪しの基準が違ったりします。
人によって言ってる事も違うので
「人にとってそれぞれ正解があるんだな」と自分の中に落とし込んでいます。
目が積んでる、節、アテ、固さ、赤白、曲がり、丸み、芯
以上は ある程度木を見ていればわかるような知識です。
木の特別な知識とは
この材は、いずれこっちに曲がるだろうからあそこに使おう
この材は、いずれここから割れが入るだろう
この材は、あと2㎜削ったら節がでるだろう
一本一本の癖までを見抜ける木の裏側まで理解しているような木の知識です。
特別な技術とは、そんな一本一本癖のある木を使いこなす
育林や伐採、製材、建築等の技術の事です。
この業界は、そんな特別な技術と知識をもった人が支えてきました。
それと同時に、そんな技術と知識が必要不可欠だったとも言えると思います。
ここで働くにはそういった知識が必要なのだと感じています。
現在では、乾燥機や集成材、プレカットなど
木の知識が無くても乾燥や反り曲がりによるトラブル事前に回避できる
「木」を使いやすくする仕組みがどんどんでてきました。
西粟倉村のユカハリタイルは
その存在がそんな仕組みの一つなのだと感じたのです。
作る側
乾燥機に入れて、節を避けて製材し、ゴムシートに材料を貼りつける
特別な知識と技術はいりません。
使う側
床に貼るだけ。
特別な知識と技術はいりません。
そいういう、個々の持つ特別な技術や知識に頼らない仕組み作りが
これからは新しい木の価値になるのではないかな?と、工場を見学して感じました。
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